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この夏に発生した大規模火災によって、倉庫や事務所などが全焼した。スニーカーや沖縄独自の「島ぞうり」をはじめ、在庫10万足以上を失った。「前を向くしかない」と話し、1年以内に再建すると誓う。

[沖縄月星会長]
松本 正巳氏

1940年生まれ。東洋大学卒業後、沖縄月星の源流である松本商会入社。2003年沖縄月星社長、18年12月会長。ムーンスター(福岡県久留米市)の沖縄県内唯一の代理店。各種靴の卸・小売りを手掛け、20年に創業70年を迎える。

SUMMARY

沖縄月星大規模火災の概要

2019年8月19日朝、沖縄県豊見城市にある沖縄月星から出火。火は約10時間にわたって燃え続け、約350坪相当分の同社の倉庫と事務所、店舗、展示会場が全焼した。人的な被害と周辺への延焼はなかったが、スニーカーや沖縄独自の履物である「島ぞうり」など10万足以上を焼失した。詳細な出火原因や火元などはまだ特定できていない。

 8月の盆明け、豊見城市内の弊社で大規模火災が起きました。周辺への延焼はなく、人的な被害は出ませんでしたが、600坪の敷地内で約350坪(1155m2)相当分の倉庫や事務所、アウトレット品販売用の店舗、展示会場が全焼しました。お客様には多大なご心配をかけ、取引先の皆様にも出荷の遅れなどでご迷惑をかけました。

周囲1.4km封鎖、10時間燃える

 火が出たのは8月19日の午前7時前。早めに出社していた年配社員が第一発見者です。火災の一報を社長から受けて駆け付けましたが、現場は既に、最初は何か錯覚ではないかと思えるほどの惨状でした。消防車12台が出動し周囲1.4kmを封鎖する大規模火災。ただただ、建物が焼け落ちていくのを見ているほかありませんでした。鎮火は午後5時過ぎだったでしょうか、結果、10時間ほど燃えていたことになります。

 火の勢いが強かったため、1カ月たっても詳細な原因と火元は特定できていません。建物内にコンロなどは一切なく、電気系統からの失火ではないかと今の時点では考えています。

 沖縄月星の前身である松本商会は1950年の創業。沖縄の本土復帰と同じ72年に沖縄月星に名称変更しました。来年、創業70年の節目を迎えます。県内唯一の「履物問屋」として、歴史と誇りを背負ってきたつもりです。

沖縄月星は創業70年の節目の年を前に、火災で倉庫や事務所が全焼した。建物の骨組みさえボロボロになってしまった状況に、松本会長は「悔しさばかりが募るが前に進むほかない」と話す

 今回の火災で、過去の写真を含め、歴史的な資料もすべて燃えてしまいました。10万足以上の靴履物を失いました。商品だけで損失額は1億円を超えると思います。建物の骨組みさえボロボロになってしまった状況は、やはりショックです。日がたつにつれ、悔しさばかりが募りますが、それでも我々は前に進むしかありません。

日経ビジネス2019年10月21日号 80~81ページより目次