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5月、営業所の運転士の労働時間が基準を超えていたとしてバスの使用停止の行政処分を受けた。配置する人員を潤沢に確保できない中、同僚の有給消化をカバーしたしわ寄せが違反につながった。新たに2人を採用するなど対策を進めているが、運転士不足は、地方のバス会社に共通する課題だ。

[神姫グリーンバス社長]
本間 和典氏

1957年、兵庫県生まれ。81年に同志社大学法学部を卒業し、姫路市に本社を置く地域交通大手、神姫バスに入社。明石営業所の所長などを経て、2012年に神姫グリーンバスに専務取締役として転籍した。13年から現職。62歳。

SUMMARY

バス運転士が超過勤務の概要

神姫グリーンバスは今年5月、篠山営業所の1人の運転士の労働時間が基準を超えていたとして、近畿運輸局から行政処分を受けた。同営業所にいる29人の運転士の勤務予定は基準を順守していたが、同僚の有給消化をカバーした結果、超過勤務となった。同社は運転士2人を新たに採用、業務が偏らないように平準化を徹底するなど対策を進めている。

 今年5月、当社の篠山営業所の1人の運転士の労働時間が基準を超えていたとして、国土交通省近畿運輸局から、バス2台に関して延べ10日間の使用を停止とする行政処分を受けました。2018年12月の4週間の平均で、1週間当たりの拘束時間が基準値である65時間を超えていました。

 公共交通を担う者として日ごろから安全第一を心がけていますが、地域の皆様や関係者の方々にご心配とご迷惑をおかけし、大変申し訳なく思います。

 1年半ほど前、篠山営業所の監査に入った伊丹労働基準監督署から超過勤務の疑いがあると指摘を受けました。もちろん対処はしたのですが、今年1月の兵庫陸運部の監査で、1人の運転手の拘束時間に規定違反があったことが発覚したのが経緯です。

有給取得者増え1人にしわ寄せ

 65時間という基準は当然、各営業所に周知しています。事前に作成する月当たりの勤務表の上では、篠山営業所にいる29人の運転士の勤務時間は基準内に収まっていました。ただ、この期間中に病気や家庭の事情で有給休暇を消化する者が相次ぎ、他の運転士による穴埋めが必要となりました。

 篠山営業所は平日に21系統の路線バスを運行しています。運転士を配置できずに運休するとなると、利用者にご迷惑をおかけしてしまいます。これまでは何とか回してこられたのですが、今回は人繰りがうまくいきませんでした。結果として、1人の運転士にしわ寄せがきてしまいました。

日経ビジネス2019年8月26日号 74~75ページより目次