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ふるさと納税で過度な返礼品を是正する新制度が6月から始まった。佐賀県みやき町は過去に過度な返礼があったとして、新制度の対象外とされた。末安町長は「より充実した住民サービスのためだった。決められたルールは守る」と語る。

[佐賀県みやき町長]
末安 伸之氏

1956年生まれ。熊本商科大学商学部を卒業後、社会福祉法人「野菊の里」入社。常務理事や特別養護老人ホームの副施設長を経て93年に中原町長、05年からは中原町など3町合併で発足したみやき町長。佐賀県町村会長も務める。

SUMMARY

ふるさと納税から除外の概要

 過度な返礼品競争を抑制するため、返礼品を寄付金の3割以下の地場産品に限った新制度が6月1日に始まった。総務省はこれまで過度な返礼品で多額の寄付を集めてきたとして、みやき町や大阪府泉佐野市など4市町をふるさと納税の対象から外した。現時点ではみやき町に寄付をしてもふるさと納税の恩恵を受けることはできない。

 ふるさと納税で多額の寄付金が集まったのは事実です。2018年度の寄付金は約168億円にのぼりました。総務省が除外するかどうかの判断材料にした18年11月~19年3月で見ても、約89億円が集まりました。今回、制度から除外されたことについては真摯に受け止めています。

 法律があればもちろん守ります。ただ、これまで基準が設けられていない中で、地場産品ではない家電やギフト券を扱ってきたのは地元商店の救済のためだったり、工夫の産物だったりしたわけです。しかし単に昨年11月から5カ月間の金額が50億円を超えたというだけで除外を決められてしまいました。これは正直、想定外でした。

 決まりがなかった過去に遡及し除外するのは法治国家において可能なのかと疑問に思いますし、なぜ11月からなのかもわかりません。11月より前を判断対象に加えたら、もっと多くの自治体が除外対象になったと思います。ルールを作ることはいいことだと思いますし、むしろ早く作ってくださいと総務省にお願いもしてきました。ですから当然、今年4月の総務省のヒアリング時点では決まりを守っていましたし、担当者からも「問題ない」と言われました。にもかかわらず外されたのです。

日経ビジネス2019年7月8日号 84~85ページより目次