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 建設費は9億~10億円を想定していましたが、運営費はよく分からず、見切り発車に近いような状態でした。改めて試算してみると、町の直営ならば年間で1億円から1億5000万円かかることが分かりました。町の一般会計の規模は100億円程度ですが、社会保障分野などに充てる経費を除いたいわゆる「裁量的経費」には限りがあります。それでもプロジェクトを進めたのは、当時はふるさと納税が伸びているので「お金は何とかなるだろう」という発想が根底にあったからだと考えます。

 ところが現実には私が就任した18年10月時点で、ふるさと納税の寄付額には陰りが出ていました。総務省から直接言われたわけではありませんが、返礼品の数を絞るなど国からの指導に町として素直に対応してきたからです。「地場産品に限れ」と国は言うけれど定義は難しい。例えば食品は原料まで遡ると、地場産どころか国産でもないものがたくさんあります。そうしたものを除くと当然、人気は落ちます。