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昨年秋、クボタなどで圧延用ロールと呼ばれる製品の品質不正が相次いだ。大手電炉メーカーの中山製鋼所もその一つだ。「主力の鋼材と比べ、設備投資や体制改善を後回しにしていた面がある」と反省する。

箱守 一昭氏
[中山製鋼所社長]
1980年、東京大学大学院を修了後、中山製鋼所に入社。2005年、事業戦略などを担当する取締役に就任。13年に専務取締役。2017年から現職。
SUMMARY
中山製鋼所の品質問題の概要
2018年10月、鋼材製品や建築材料、ゴムなどを薄く延ばす工程で使う「圧延用ロール」で品質不正が発覚した。顧客との取り決め通りの検査を実行しなかったり、要求数値から外れた検査結果を改ざんしたりしていた。11年までさかのぼって調べたところ、出荷された不正品のロールは約1万2000本、納品先は48社に上った。

 まず、今回の問題でご迷惑をおかけした方々に心よりおわび申し上げます。1月までに、不正品を納入してしまった顧客48社のほぼ全てに謝罪と説明に伺いました。皆様のご指導、ご指摘を真摯に受け止めております。原因調査と真因分析を進め、再発防止策を作成しています。二度とこのような事態が起きないように取り組む決意です。

 昨年9月、クボタが圧延用ロールの検査不正を発表したことがきっかけで、当社の不正も発覚しました。同様の問題は同業各社でも見つかっています。

 ロールは鋼材製品などを薄く延ばす製造作業用資材です。納品先からは厳しいお叱りの声もいただきましたが、おおむね冷静に受け止めていただいたのではないかと思います。納品先はロールで加工した製品の検査を常日頃しているので、品質に問題があったらすぐに分かる。結果として異常が見つかっていなかったことが、納品先の反応の背景にあるのだと思います。