世界文化遺産の構成資産の一つで国指定の史跡、原城跡に砂利を敷設。史跡の管理団体である南島原市は現状変更について、文化庁から許可を得ていなかった。市の担当者は「認識が甘かった」と語り、再発防止に努める。

[長崎県南島原市世界遺産推進室長]
世界文化遺産に砂利の概要
長崎県南島原市にある原城跡は国指定の史跡で、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ。原城跡の二ノ丸跡付近の工事で、工事業者は2018年5月に同市に確認後、砂利を敷いた。しかし本来、史跡の現状変更には文化庁への許可申請が必要だった。市長名で顚末(てんまつ)書を提出。砂利を撤去した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つで、南島原市にある国指定の史跡、原城跡の二ノ丸跡の一角に、同市から工事を受注した業者が砂利を敷設する事態が起きました。
国の史跡の現状を変更する場合、あらかじめ文化庁に申請して許可を得る必要があります。しかし、市は許可を得ないままこの業者に対して敷設を認めていました。文化財に対する認識が甘かったと思います。担当者として深くおわびいたします。
文化財の専門委員会で発覚
原城跡が世界文化遺産に登録されたのは2018年7月のことでした。この場所は江戸時代の1637年の島原の乱で天草四郎が籠城して亡くなった地として知られています。キリシタンがその後、潜伏するきっかけであることから、長崎の世界遺産における構成資産となっています。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1925文字 / 全文2695文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「敗軍の将、兵を語る」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?