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世界文化遺産の構成資産の一つで国指定の史跡、原城跡に砂利を敷設。史跡の管理団体である南島原市は現状変更について、文化庁から許可を得ていなかった。市の担当者は「認識が甘かった」と語り、再発防止に努める。

内田 繁治氏
[長崎県南島原市世界遺産推進室長]
1963年南島原市生まれ。旧有家町役場に入庁。その後、同町を含む8町が合併したことによって2006年に南島原市が誕生。同市では企画振興課長を兼務する。南島原市は島原半島にあり、人口約4万5000人。
SUMMARY

世界文化遺産に砂利の概要
長崎県南島原市にある原城跡は国指定の史跡で、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ。原城跡の二ノ丸跡付近の工事で、工事業者は2018年5月に同市に確認後、砂利を敷いた。しかし本来、史跡の現状変更には文化庁への許可申請が必要だった。市長名で顚末(てんまつ)書を提出。砂利を撤去した。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つで、南島原市にある国指定の史跡、原城跡の二ノ丸跡の一角に、同市から工事を受注した業者が砂利を敷設する事態が起きました。

 国の史跡の現状を変更する場合、あらかじめ文化庁に申請して許可を得る必要があります。しかし、市は許可を得ないままこの業者に対して敷設を認めていました。文化財に対する認識が甘かったと思います。担当者として深くおわびいたします。

文化財の専門委員会で発覚

 原城跡が世界文化遺産に登録されたのは2018年7月のことでした。この場所は江戸時代の1637年の島原の乱で天草四郎が籠城して亡くなった地として知られています。キリシタンがその後、潜伏するきっかけであることから、長崎の世界遺産における構成資産となっています。