町の掲示板のように、不用品やイベントなど地域の情報を集めたポータルサイトでユーザーを集める。広告を活用し、ユーザーの負担を抑えて地元の情報を載せる仕組みを目指す。

 「自動車で使うチャイルドシートを探していました。頻繁には使わないので、新品ではなく中古で費用を抑えたくて」。1カ月後に出産を控える、東京都大田区に住む30代の女性が利用したのは「ジモティー」。ユーザー同士が中古品を売買・譲渡したり、地域の求人情報から店舗情報、イベントやペットの里親募集まで閲覧したりできるポータルサイトだ。

 特徴の一つは、希望する「地域」で情報を絞り込めること。市区町村や駅の指定が可能だ。例えば中古品譲渡の場合、出品するユーザーは、商品情報や希望価格と共に最寄り駅など受け渡し場所を提示し、その品が欲しいユーザーと条件が合えば、その場所で渡すことができる。配送料を省けるほか、他のフリーマーケットアプリと異なり0円からの出品も可能で、手数料も不要だ。

「地域」に焦点を当てる

目指すは互助社会 地域の関わり合いが希薄化する現代で「互いのニーズを生かしながら、地域の“互助”の仕組みを作りたい」と加藤氏は話す(写真=鈴木 愛子)
目指すは互助社会 地域の関わり合いが希薄化する現代で「互いのニーズを生かしながら、地域の“互助”の仕組みを作りたい」と加藤氏は話す(写真=鈴木 愛子)

 ジモティーは2011年、複数のネットビジネスの起業や投資を手掛ける小野裕史氏が創業した。だが、実際に運営を担い、育ててきたのは創業の年にジモティーに入社し、社長を任された加藤貴博氏だ。

 加藤氏はジモティー参画前、リクルートで大量採用のアルバイト求人や中古車、習い事教室などの情報誌の編集や広告営業に携わっていたが、ある裁縫教室に広告営業で飛び込んたことが、情報のあり方を考え直すきっかけになった。「そこはおばあちゃんが何十年も営む教室で、その街のコミュニティーにとって、また裁縫の楽しみを伝えるうえで大切な場所だと分かった」(加藤氏)。情報誌の広告掲載には1ページ100万円程度、最小のコマでも数万円かかる。月謝数千円の教室には負担が重い。しかも、その教室は規模拡大を望んではいない。だがその教室の情報を街に伝える価値はあると感じた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1275文字 / 全文2078文字

【初割・2カ月無料】有料会員の全サービス使い放題…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「戦略フォーカス」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。