後発ながらカーナビ市場の一角を崩すと、今度はドライブレコーダーで先行して新市場を切り開く。大手を相手に国内3位のシェアを握るが、将来の市場変化を見越しコンテンツにも力を入れる。

ドラレコでシェア3位 同社のドラレコ(左上)。鹿児島でも製造・開発(左下)。静岡の研究拠点(右上)。仮想キャラクターのライブ配信も予定(右下)(写真=左下:菅 敏一・右上:栗原 克己)
ドラレコでシェア3位 同社のドラレコ(左上)。鹿児島でも製造・開発(左下)。静岡の研究拠点(右上)。仮想キャラクターのライブ配信も予定(右下)(写真=左下:菅 敏一・右上:栗原 克己)
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 車の運転状況を記録するドライブレコーダーの市場が活況を呈している。電子情報技術産業協会などによると、2021年度の国内出荷台数は前年度比17%増の537万台。ドラレコの映像がテレビのニュースで流れる場面も増え、普及に拍車がかかる。

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 大手ひしめくこの市場で、ユピテル(東京・港)は3位に入る。社員はグループで約500人と小粒だが、自社製品にこだわる。売上高は158億円(22年3月期)。3期前比で約25%増え、ドラレコは売上高の5割超を占める。

 同社のドラレコが人気の理由は2つある。一つは現存する国内メーカーでは最古参で、一定のブランド力を持つこと。もう一つは望んだ機能、価格の製品を選びやすいこと。業務用も含め100種ほどあり、福岡県の自営業者は「必要な機能の製品を選べる分、価格が手ごろ」と話す。地道なブランドづくりときめ細かな製品開発でニーズをつかんでいる。

会長兼CEOの安楽憲彦氏(写真=栗原 克己)
会長兼CEOの安楽憲彦氏(写真=栗原 克己)

 会長兼CEO(最高経営責任者)の安楽憲彦氏は「社内にチャレンジする風土がある」と強調する。「この規模だからできること」に注力するためニッチな開発に力を入れ、本体社員は4割が技術者。車載用のレーダー探知機などにも強みを持つ。製造は海外比率が高いが国内でも手掛け、鹿児島県霧島市の工場は多品種生産のため多能工化や自動化を進める。大都市より技術者が集めやすい鹿児島には開発部門も置く。

 ドラレコでの躍進の礎になったのがカーナビ事業だ。カーナビ市場は高額な据え置き型が主流で、新たな取り付けにもコストがかかった。安楽氏は「後付けタイプの安価な製品に需要がある」と発想。後発ながら07年、簡易型カーナビ(PND)で参入した。

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