家電や家具をサブスクリプション(定額課金)で貸し出し、まずは「利用」を提案する。デザイン家具など高品質な製品を長く使う仕組みを作り、循環型社会を目指す。

オフィス需要旺盛 サブスクブームやオフィス形態の変化、SDGsの流れを受け、「今後は好調な法人向けを軸にしていく」と町野CEOは話す(写真=吉成 大輔)
オフィス需要旺盛 サブスクブームやオフィス形態の変化、SDGsの流れを受け、「今後は好調な法人向けを軸にしていく」と町野CEOは話す(写真=吉成 大輔)

 人気ブランドの家具やデザイン家電も月額500円から借りられる──。購入金額が膨らみやすい家具・家電をサブスクで手軽に利用する動きが広がっている。ソーシャルインテリア(東京・渋谷、町野健・最高経営責任者=CEO)のサブスクサービスは、3カ月から2年の間で新品の家具・家電の利用期間を選択してもらい、利用後の回収まで手掛ける。

 1年利用の場合、例えば米ハーマンミラーの椅子は月額2万円超、バルミューダのトースターは3000円弱となる。途中で期間を延長したり、気に入った場合は購入を選択したりすることも可能だ。支払いがメーカーの希望小売価格に達すれば課金は終了し、所有することもできる。

米国で可能性を確信

 従来、ローンで購入することが一般的だった車や家具などの大型商品をサブスクで提供する。町野CEOが事業の可能性を感じたのは、2017年に米国でスタートアップのイベントに参加した時のことだ。当時は音楽やソフトウエアくらいでしか月額課金の概念がなかったが、米国ではすでにドローンなどハードの分野でもサブスクが登場。「サブスクブームは日本にも来る」と確信した町野氏は、当時代表を務めていた家具スタートアップで、新規事業を練り始めた。

 もともと家具好きで、旧態依然としていた業界を変革したいという思いも持ち続けていた。引っ越しの際に東京・目黒の家具店が並ぶ通りを30軒ほど回ったところ、品質やデザイン性の高いものは多いが、値段が高く、そろえるには費用がかかると実感した。一方、大手家具チェーンには欲しい家具がなかった。

 「高品質のいい家具が売れない業界構造を変えたい」と、18年に国内で初めて家具のサブスク事業「サブスクライフ」を立ち上げた。必要な期間に応じて柔軟に家具を使えるほか、初期費用を抑えて、欲しいデザイン家具を試せるメリットを打ち出す。

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