祖業のコンクリート製造を堅守しつつ、新技術開発によって市場を開く「両利きの経営」を実践。「自己治癒コンクリート」や「コンクリート用3Dプリンター」を武器に、関東圏への進出を目指す。

(写真=右上下:船戸 俊一、左下:栗原 克己)
(写真=右上下:船戸 俊一、左下:栗原 克己)
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 国内の建設投資額は1992年度の約84兆円をピークに漸減、2020年度は約63兆円にとどまった。将来的な人口減少を勘案すれば、生コン約3000社などコンクリート会社は生存戦略を練る必要がある。厳しい環境下ではあるが、会沢高圧コンクリート(北海道苫小牧市)は、過去10年で売上高を4割弱伸ばしてきた。力を入れるのは「新技術」だ。

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ひび割れが「勝手に治る」

 例えば、同社の手掛ける自己治癒コンクリート「バジリスク」は、ひび割れなどが「勝手に治る」。コンクリートは乾燥による収縮などでひび割れが発生する。バジリスクはアルカリ耐性を持つバクテリアとそのエサとなる物質を入れて製造。コンクリートに水が浸透するとバクテリアが活性化して、ひび割れを埋める炭酸カルシウムを生成する仕組みだ。

 ベースはオランダの大学の研究者が考案し、同社はそれに基づき製造技術の開発に着手。化粧品製造用の高速ミキサーを活用することで世界で初めて量産化に成功した。20年から製造を開始し、札幌市水道局の大型の池状構造物などへの導入が進む。

 老朽化したコンクリートのひび割れもバジリスクと同じ技術の補修剤を使う。現在はドローンから補修剤を吹き付ける技術を研究中だ。実現には、重量物を積載しながら長時間運行ができるドローンが不可欠。そこで同社はエンジンのスペシャリストと20年に別会社を立ち上げ、大型ドローンの開発に踏み出した。

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