移動可能な個室型ベビーケアルームが、商業施設などで徐々に普及しつつある。 授乳室情報アプリの運営で見つけた需要と供給のギャップが、新たな事業を起こすきっかけになった。

子育ての一助に。需要はあるのに数が足りない授乳室。費用や場所といった課題を解決すべく、長谷川裕介代表は自らが解決に乗り出した(写真=松井 一馬)
子育ての一助に。需要はあるのに数が足りない授乳室。費用や場所といった課題を解決すべく、長谷川裕介代表は自らが解決に乗り出した(写真=松井 一馬)

 「おむつを替えたいのですが」「授乳室はどこですか?」──。お宮参りや七五三など、神社には多くの子連れ家族が訪れる。必要に応じて応接室やロビーに案内するが、他の参拝者もいて落ち着かない。静岡県三島市の三嶋大社は「専用の個室」を導入してこの課題を解決した。

 導入したのは、授乳室情報アプリなどを手掛けるTrim(トリム、横浜市)の「mamaro(ママロ)」。移動可能な個室型ベビーケアルームで広さは1畳ほど。中から鍵をかけることができ、使い方は室内モニターなどに表示する。

 三嶋大社は当初、部屋の中についたてを取り付け、授乳室を設けるつもりだった。しかし「個室の安心感」を優先し、mamaroの導入を決めた。利用者は月30~50人ほどで、需要の高さを実感しているという。

22年6月には設置台数が400台突破
22年6月には設置台数が400台突破
●mamaroの累計設置台数の推移

 2017年に販売を開始したmamaroは徐々に認知度を高め、22年6月には累計設置台数が400台を超えた。主な導入先は商業施設で、約36%を占める。他にも駅や病院、役所など導入先は幅広い。

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