人口が増え続けると、2030年代には人類に必要なタンパク質が足りなくなるかもしれない──。そんな「危機」をコオロギが救うのか。昆虫に食と地域の未来を託すスタートアップの構想とは。

JR徳島駅から特急列車に揺られて約40分、吉野川沿いの山間部に位置する人口3万人弱の徳島県美馬(みま)市。閉校となった市立小学校の旧校舎で今、ある生き物の食用に向けた飼育が進められている。

教室だった飼育部屋の扉を開けると、むわっとした空気が流れた。断熱材で覆われた室内は空調で約30度に保たれ、棚にはプラスチックケースが整然と並んでいる。中で育てられているのはフタホシコオロギ。日本では沖縄県石垣島などの亜熱帯地域に生息している。
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