創業130年を超える老舗醸造企業が独自の乾燥技術を開発し、粉末味噌の商品化に成功した。海外の食品メーカーなどにスパイスの原料として売り込み、味噌の新たな可能性を切り開く。

色とりどりの小瓶に詰められているのは、ゆずやハーブ、カレー風味のスパイス調味料「umami・so(うまみそ)」。ステーキやサラダなどに振りかければ、手軽に本格的な味わいを楽しめる。
この商品がひと味違うのは、生味噌を乾燥させた「粉末味噌」を原料としていること。宮崎県都城市の老舗醸造会社、早川しょうゆみそが開発した。ペースト状の味噌になじみのない外国人でも使いやすいように、日本生まれの“スパイス”として提案し、海外市場の開拓に乗り出している。
1885年創業と伝えられ、以来130年以上にわたり地元を中心に商売を続けてきた早川しょうゆみそ。2001年に就任した洋社長は6代目だ。九州地方でよく使われる「麦味噌」を主力に、地元の味を守り続けてきた。
ただ、味噌の国内市場は緩やかな縮小傾向にある。1970年代に約59万トンあった生産量は、2021年には46万トンほどに。縮む市場を見越して食文化の変化に対応する必要があると考えた洋氏は、就任以来、「健康」や「安全」をキーワードとして他社との差別化に取り組んだ。
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