学習塾運営のやる気スイッチグループが幼児や小学校低学年向けの教育に活路を見いだしている。競合がいないブルーオーシャンで選んだのは、スピード重視で教室の種類と数を増やす戦略。少子化が進む中、1人の顧客に複数の商品を購入してもらうクロスセルで成長を目指す。

「何を組み合わせたらうまくいくんだろう……」。小学校低学年の児童が思案顔でタブレットを見つめている。タブレットの画面に映っているのは、サッカーボールを持ったロボットのキャラクターや、サッカーゴールの画像。そして「停止する」「前にボールを蹴る」といった文字列も並ぶ。どうやら、プログラミングの演習問題に取り組んでいるようだ。
ここは、学習塾運営のやる気スイッチグループ(東京・中央)が手掛ける子供向けプログラミング教育「HALLO(ハロー)」の有明ガーデン教室(東京・江東)。生徒たちはタブレット上でロボットのキャラクターを操作し、プログラミングを模した選択肢を選びながら学習していく。
大手がいないブルーオーシャン

1989年設立のやる気スイッチが「第2の創業」を軌道に乗せつつある。祖業の個別指導塾「スクールIE」を全国で1000教室以上展開するまでに成長させた同社は、知育や英語、運動などの幼児教育事業に成長を託す路線に転換。事業は順調に伸びており、東京や神奈川のバイリンガル幼児園では入園がキャンセル待ちとなるほど好調だ。個別指導塾事業は少子化やコロナ禍で横ばい状態が続くものの、幼児教育事業がグループの成長を支えている。21年2月期の連結売上高は前の期に比べて約2%増の176億円となった。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り3259文字 / 全文3969文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「戦略フォーカス」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?