コロナ禍による外出自粛などの影響で靴のニーズが落ちる中、靴の製造・販売を手掛けるヒラキが堅調だ。2021年3月期の売上高は前年並みながら、営業利益は2倍以上に増えた。「499円」など安さを売りにした製品が目に付くが、それだけではない。手堅く稼ぐ要因に迫った。

<span class="fontBold">ヒラキの商品は5割が発売されてすぐに姿を消す</span>
ヒラキの商品は5割が発売されてすぐに姿を消す

 バレエシューズ499円、厚底スニーカー780円、キッズスニーカー180円……。広大なフロアにところ狭しと並ぶ靴の数々。しかも、値札の多くは3000円以下だ。

 ここは、靴の製造・販売を手掛けるヒラキの岩岡店(神戸市)だ。同社は兵庫、大阪を中心に総合スーパー型の複合商業施設を4店舗、商業施設内にある20~60坪の小型店8店舗を運営するほか、通信販売、卸売りの3つの事業から成り立つ。

 コロナ禍で靴業界を取り巻く環境は厳しい。外出自粛やテレワークの普及によって、靴のニーズは落ち込んでおり、大手は軒並み苦戦を強いられている。そんな中にあってヒラキは好調だ。2021年3月期の売上高は159億6200万円で前年同期比0.2%増ながら、営業利益は同111.5%増の9億2200万円を稼ぎ出した。

コロナ禍にもかかわらず利益は回復
●ヒラキの売上高と営業利益の推移
<span class="fontSizeL">コロナ禍にもかかわらず利益は回復</span><br />●ヒラキの売上高と営業利益の推移
[画像のクリックで拡大表示]

 好調の要因はその事業構造にある。単に格安の靴を数多く売っているというだけではない。同社の事業の両輪は店舗と通販だ。売上高に占める各事業の割合は21年3月期で、店舗が43%、通販が55%。通販事業に力を注いできたことが、コロナ禍の中で生きた。

 通販といえば、現代ではインターネット経由で商品を注文するネット通販が中心だ。ヒラキも注文数の7割はウェブ経由となっている。一方で、同社は毎月45万部の紙のカタログを発行している。

通販・店舗の両輪体制がコロナ禍でも機能
●ヒラキの事業構造
<span class="fontSizeL">通販・店舗の両輪体制がコロナ禍でも機能</span><br />●ヒラキの事業構造
[画像のクリックで拡大表示]
続きを読む 2/3 格安の靴は「まき餌」

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3040文字 / 全文4008文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「戦略フォーカス」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。