この記事は日経ビジネス電子版に『ウェザーニューズ、頭痛や目まいも予測 市場細分化で個人開拓 』(9月28日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』10月4日号に掲載するものです。

国内最大の気象情報サービス会社、ウェザーニューズは12期連続で増収となっている。個人のニーズを細分化して新サービスを相次ぎ打ち出しており、利用者が増加中だ。気象市場はまだ成長できる余地があるとみて、多様なデータの分析ノウハウを磨き続ける。

<span class="fontBold">全国に張り巡らす独自観測網を生かして高精度の予報サービスを提供。生活に役立つユニークなコンテンツも多く打ち出す</span>(写真=吉成 大輔)
全国に張り巡らす独自観測網を生かして高精度の予報サービスを提供。生活に役立つユニークなコンテンツも多く打ち出す(写真=吉成 大輔)

 「もっと予報の精度をきめ細かくしてはどうか」「利用者からはこんな要望が来ています」。ウェザーニューズでは毎日、サービス開発を巡って議論が交わされている。社内のSNS(交流サイト)でアイデアを出し合う様子には熱気を感じる。

 今、同社の伸びをけん引するのは個人向けサービスだ。草開千仁社長は2021年5月期の決算説明会で「アプリ関連の収入が引っ張っている」と語った。12期連続の増収だ。

増収は個人の利用拡大が主因
●ウェザーニューズの連結の売上高、営業損益の推移
<span class="fontSizeL">増収は個人の利用拡大が主因</span><br />●ウェザーニューズの連結の売上高、営業損益の推移
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月間利用者、19%増加

<span class="fontBold">2021年5月期の月間サービス利用者数はアプリと自社サイトで3849万人に上った</span>
2021年5月期の月間サービス利用者数はアプリと自社サイトで3849万人に上った

 同期は、アプリと自社サイトで展開する気象予報サービスの月間利用者数が20年5月期から約19%増え、3849万人となった。月300円台のプランが基本になっている有料会員が増え、サービスに掲載する広告収入も拡大した。個人向け事業の売上高は約12%増の約85億8000万円となり、会社全体の売上高の約46%を占めている。

 新型コロナウイルス禍でスマートフォンを利用する機会が増えたことなどが追い風になったが、見逃せないのは、同社が進めてきた「ニーズに細かく焦点を当ててコンテンツを増やす」戦略だ。

 例えば6月に提供を始めた「線状降水帯マップ」は、局所的に長時間の大雨をもたらす線状降水帯を10分ごとに検知、マップ上に示す。線状降水帯は8月に九州を襲い、被害が広がった。ウェザーニューズは利用者の関心がどこにあるかをつかんだ上で、降水量など一般的な情報の提供内容から踏み込んでいる。

 ウェザーニューズが個人向けに新たにリリースしたりバージョンアップしたりするコンテンツは年間で50個に上っており、1週間に1つのペースだ。気象の枠を超えた情報に特色がある。

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