ヘアケア製品で短期間に大手からシェアを奪えた理由は冒頭で紹介した女性が言うように、品質と価格の絶妙なバランスにある。植物由来を前面に出すと同時に価格はスタンダードラインのシャンプーやトリートメントで1本1540円。1000円未満が大半の汎用品より高く、2000円以上が多い美容院向けやオーガニック認証の製品よりも安いことから、「ちょっとしたぜいたく」を求めるニーズをつかんでいる。

 ヘアケア市場は外資系のP&Gジャパンやユニリーバ・ジャパン、国内メーカーの花王など大手企業がひしめき、競争環境は非常に厳しい。人気タレントを起用したテレビCMを大量に流して時間とコストをかけながら製品をユーザーに定着させるのが定石であり、新たな参入が難しいレッドオーシャン市場と考えられてきた。

 知名度も資本力もないI-neの躍進はSNS(交流サイト)の効果が大きいと業界で受け止められている。ボタニストは「SNSを活用してできた、初めてと言っていいブランド」(中央大学ビジネススクールの田中洋教授)と評され、I-neは上場に伴い、SNSを使いこなす目利きのプレーヤーとして日本中のマーケッターが着目するようになった。

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