海外中心の会社に変身

 ペローニとの間にあった信頼関係とはどんなものだろうか。ビールが好きで、一筋に歩んできた醸造技術者のウマが合ったという面はあるが、それだけではない。アサヒGHDでは「学ぶ姿勢を持ち、現地を信頼する」(勝木敦志社長兼CEO=最高経営責任者)というM&Aに際しての方針が浸透してきた。ペローニとの協業は、その象徴的な取り組みだと経営陣は考えている。

 M&Aを通じた海外事業が軌道に乗り、セグメント別の売上収益では20年12月期に「国際事業」が7929億円とコロナ禍でも前の期に比べ13.5%増。全体に占める比率は4割近くに達し、国内の酒類事業を初めて上回った。

M&Aを通じて海外事業を急拡大
●アサヒGHDの国際事業売上収益(売上高)と国際事業比率
<span class="fontSizeL">M&Aを通じて海外事業を急拡大</span><br />●アサヒGHDの国際事業売上収益(売上高)と国際事業比率
注:国際事業セグメントができた2006年以降の決算短信・補足資料を参照。2016年~IFRS導入。2015年以前は日本基準(売上高)
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