美顔ローラーやトレーニング機器を引っ提げて2018年に上場したが、赤字経営に陥った。成長を期待されただけに、招いた失望は大きい。だが、それからわずか1年間で黒字に転換した。挫折からはい上がった裏には、日本航空(JAL)再建に携わった稲盛和夫氏の元側近の存在があった。

トレーニング機器「シックスパッド」(左)や美容器具 「リファ」の大ヒットが急成長の要因だった

 サッカーの世界的な名プレーヤー、クリスティアーノ・ロナウド氏が鍛え上げられた肉体を見せる。腕や腹部には、黒いベルト状のトレーニング機器「シックスパッド」──。MTGが2015年にこの商品を発売した頃から、同社の成長は加速していった。

 シックスパッドに先行して、09年から美容器具ブランド「リファ」を展開し、爆発的に広がっていた。エステサロンで受けるプロのフェイシャルマッサージを再現しようと、顔や足などのローラーをシリーズ化。女性向けの市場を掘り起こしていた。

時価総額3000億円から転落

 製品として2つの柱を携え、18年7月に東証マザーズ市場に上場する。1996年創業の同社にとり、企業としての評価はこのときピークにあった。

 市場では、MTGの1カ月前に上場したばかりのメルカリに次ぐ大型上場ともてはやされていた。初値は公開価格の5800円を大きく上回ったうえ、2018年7月12日には8120円まで上昇。時価総額は一時、3000億円を超えた。企業価値約1000億円以上の未上場企業を指す「ユニコーン」だと見ていた投資家の期待を、まさに示していた。

華々しく上場したものの、問題が噴出
●MTGの株価(週次)と主な出来事
(写真=共同通信)

 上場直後、同社の評価は一転してガタ落ちとなる。好業績を支えていた訪日客の需要が落ち込み始めたことが一因だが、それだけではない。中国子会社の不適切会計も発覚し、19年9月期の決算が最終赤字に陥った。「地獄のような思いをした」。創業者の松下剛社長はこう振り返る。

 ただ、20年9月期には黒字に転換することになる。同社はどのように転落し、はい上がったのか。

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