商品への愛情か石頭か

 リブランディングを訴えたのは18年3月にコンシューマーブランド事業部長に就いた鎌田昌人氏。台湾で現地法人のトップを務めるなど12年から18年まで中華圏に赴任していた。10年代半ばに雪肌精がインバウンド需要を捉えたのは円安により現地百貨店よりも日本で買うと割安だったからと分析。いわば追い風参考だ。その後に売り上げが鈍ったことを考えるとブランド力が落ちているのは明らかだった。実力を引き上げないといけない。リブランディングでまず重要になるのは正確に商品の力、現状を認識することだ。

 「雪肌精には変革が必要。現在の課題と解決プランを考えてほしい」。鎌田氏はコンシューマーブランド事業部に着任すると、雪肌精企画課の松本英樹課長と同課で商品企画を担当する鴇崎舞氏に呼びかけた。

 だが、改革メンバーに指名されたはずの鴇崎氏でさえ、当初は「先輩たちが築き上げてきたものを変えていいのか」と感じていたという。実際、鴇崎氏から鎌田氏に上がってきた最初の提案は派生商品の追加でしかなかった。鎌田氏が突き返しても、次の企画書もまた派生商品。18年末、鎌田氏は松本氏、鴇崎氏と2時間の会議を毎日開き、2週間にわたり話し合っている。

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