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野依氏、吉野氏の研究支える

栗原権右衛門会長は営業部門初の社長に就任。今でもノーベル賞受賞者らとの情報交換は欠かさない(写真=陶山 勉)

 「20代、(ノーベル化学賞受賞者の)野依良治さんに黒板で装置の比較表を書いては『先生は分かってない』なんて議論をしたこともあった」

 こう40年以上前を振り返るのは、栗原権右衛門会長だ。栗原会長は文系出身で、営業部門に所属していた。それでもトップ研究者と対等に技術談義ができるほど専門性を高めるのが日本電子流だ。研究現場が何を求め、何に困っているかを把握し、製品にフィードバックする体制を磨いてきた。

 こうした科学者たちとの関係は今も脈々と引き継がれている。日本電子には今もノーベル賞受賞者たちをはじめ、次のノーベル賞の候補者、若手研究者がひっきりなしに訪れる。2019年にノーベル化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野彰氏も日本電子のNMR(核磁気共鳴分光装置)を活用。NMRは化合物の分子構造や分子の運動を解析する装置だ。