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ツルハホールディングスが、M&Aを活用してドラッグストア網を広げている。5月には200店舗を持つJR九州ドラッグイレブンを傘下に収め、数少ない空白地帯だった九州中南部に攻め込んだ。買収先の長所を取り込みながら、裁量も認める一貫した取り組みが、次の案件に結びつく好循環につながっている。

ツルハドラッグは北海道、東北、関東を中心にグループ最多の1253店を展開(札幌市の店舗)(写真=村田 和聡)

 「買収した会社がそれぞれ個性を生かして、成果を出している」。4月30日、ツルハホールディングス(HD)はJR九州からJR九州ドラッグイレブン(福岡県大野城市)の発行済み株式を51%取得し、子会社化すると発表した。JR九州の森亨弘取締役はウェブ会見で、売却先としてツルハHDを選んだ理由について過去に買収した会社の業績が良いことが決め手になったと説明した。

4月末にドラッグイレブンの子会社化を発表

 ドラッグイレブンは九州を中心に200店以上を展開し、売上高は500億円を超える。これによりツルハHDは未開だった福岡以外の九州を縦断する形で一気に店舗網を広げた。

 M&A市場に出たドラッグイレブンに同業大手からの引き合いは強かった。森氏は会見で、商品の仕入れやPB(プライベートブランド)の開発での協業を考えると、ドラッグイレブンがツルハHDの傘下に入るメリットは大きいと説明。「鶴羽樹会長を含めた皆様のお人柄も素晴らしい」と付け加えた。

 ツルハHDは売上高がウエルシアホールディングスに次ぐドラッグストア2位で店舗数は首位。下の表にあるように、近年は売上高が数百億円規模の地方の有力企業を次々と傘下に収めてきた。買収先の社名や屋号はそのままで、社長も残留して経営を続けてもらうのが基本戦略。そしてすべての会社がその後に利益を伸ばしている。

M&Aで店舗網を広げてきた
●主な事業会社の特徴と業績
日経ビジネス2020年7月13日号 50~54ページより目次