全4653文字

PB(プライベートブランド)商品の販売が好調だ。売り上げに占める割合は10%を超え、同業他社でトップクラス。利幅も高く、2020年3月期に5期連続で達成する見込みの営業最高益の立役者ともいえる。メーカー品より安い価格だけで勝負をしているわけではない。「稼げるPB商品」の作り方がある。

大手メーカーの商品に並んでPB商品がずらりと陳列される。単に割安なだけではなく、ユニークでかゆい所に手が届くのが特徴(写真=的野 弘路)

 全国に約1700店ある「マツモトキヨシ」。言わずと知れたマツモトキヨシホールディングス(HD)のドラッグストアに足を踏み入れると、広告宣伝でおなじみの大手メーカーの商品に加え、「matsukiyo」のマークがついたPB(プライベートブランド)の商品が棚に並んでいることに気づく。医薬品や日用品から食品まで。同社のPB商品は約1500種類に及ぶ。

 単に、メーカーの既製品をベースにした「低価格版」だけではない。「ヘパリン類似物質配合クリーム」「カフェインの入っていないチョコレート風菓子キャロブミルク」──。新商品の開発にしのぎを削るメーカー製と見まがうほどの新規性を打ち出した商品が、マツキヨには多い。

 1980年代ごろから日本で普及が始まったPB商品。独自のパッケージングを施し、割安感を出すことで、消費者の来店意欲を駆り立てた。今ではイオンの「トップバリュ」やセブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」などが浸透するが、ここ数年はドラッグストア業界も力を入れる。最大手のツルハホールディングスは2018年11月にPB商品を刷新。スギホールディングスも19年末に高級化粧品のPBを立ち上げた。

 もっとも、各社のPB商品は中間流通を省くことで実現する「安さ」で勝負するケースが多い。マツキヨのように、全く新しい商品としてPB商品を企画・開発し、販売することに力点を置くドラッグストアは珍しい。