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「日の丸液晶」の復権を目指して設立して7年。台湾と中国の企業連合から金融支援を受け入れると決めた。だが、その枠組みは盤石でなく、本稿の校了時点で救済企業の機関決定も済んでいない。そもそも、なぜ、「日の丸液晶」は頓挫したのか。その要因を探ると、3つの過ちがあった。

1⃣4月12日に台中連合からの金融支援を受け入れることを発表したジャパンディスプレイの月崎義幸社長
2⃣2011年に日立製作所、東芝、ソニーの3社の中小型液晶事業の統合を発表
3⃣額縁フリーの高精細液晶を筆頭に、液晶技術の進化にこだわり続けた
4⃣14年に東証1部への上場を果たすも、業績は悪化が続いた

(写真=左:北山 宏一、右上:時事、右中:つのだよしお/アフロ、右下:ロイター/アフロ)

 石川県南部の白山市。日本海にほど近い工業団地の一角に、今や次期台湾総統を目指す男が訪れたのは今年に入ってからのことだった。男の名は郭台銘(テリー・ゴウ)氏。1974年に台湾で創業した鴻海(ホンハイ)精密工業を従業員数100万人規模の世界最大のEMS(電子機器の受託製造サービス)企業に一代で育て上げ、2016年にはシャープを傘下に収めた辣腕経営者だ。