セブン-イレブン・ジャパンが自ら設備投資を負担して店舗で取り組むカイゼン活動を急いでいる。人手不足は極まり、店舗運営の効率化が進まなければ、24時間営業のモデル継続さえ危ぶまれるためだ。苦境を訴えるオーナーと本部の関係が問われるなか、生産性を高めて苦境を乗り切る一歩になるだろうか。

<span class="fontBold">相模原橋本台1丁目店は改良した什器・設備で作業時間を7.1時間削減。太陽光パネルも敷き詰めている</span>
相模原橋本台1丁目店は改良した什器・設備で作業時間を7.1時間削減。太陽光パネルも敷き詰めている

 4月4日にセブン&アイ・ホールディングス(HD)が開いた2019年2月期決算の記者会見は光と影とが交錯する経営の現状を濃縮したような内容だった。傘下のセブン-イレブン・ジャパンが手掛ける海外コンビニ事業が伸び、営業収益、純利益がともに過去最高となる一方、国内コンビニ事業は変調を来している。1店舗あたりの1日平均売上高(日販)は65万6000円と前年度比0.4%増にとどまった。店舗の成長はフランチャイズ店(FC)のオーナーの意欲を高めてチェーンの活力を引き出すために欠かせない。それが5年にわたり、ほぼ横ばいを続けている。

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