一族の子弟を経営者に育てて成長してきたタイ小売り最大手セントラル・グループが外部人材の登用を急いでいる。 海外市場や新事業の開拓に挑む幹部の多くは、フランスやイタリアなど国外出身を含む一族外の人材だ。典型的な財閥経営であるセントラルは、同族の強みを維持しながら、外部の血をどう活用しようとしているのか。

タイの大手商業デベロッパー、セントラル・パタナ(CPN)の出店ペースが上がってきた。マレーシアで4月、国外初のショッピングモールを開設するほか、タイ南部のリゾート地、プーケット島では昨年9月、今年2月と立て続けにモールを開くドミナント戦略に打って出た。8月には首都バンコクの空港近隣にタイ初のアウトレットモールを開業する。
国内でタイ人消費者向けのモールを長く手掛けてきたCPNが今、「外国人観光客の獲得や周辺国への出店という積極策に動いている」とプリーチャ・エックナグンCEO(最高経営責任者)は話す。域内でいち早く中進国入りを果たしたタイは市場の成熟化が予想され、少子高齢化も始まった。東アジアの同業が攻め込んでくる兆しが見え、インターネット通販の波も押し寄せている。「変化に対応できなければ、競争から脱落する」(ワラヤ・チラティワットCEO代理)と危機感は強い。
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