2019年3月期まで6期連続で営業最高益を更新する見通しのエアコン世界大手。けん引するのが、今や8割に迫る売上高比率に高まった海外事業だ。経済発展の状況や消費者の嗜好も異なる世界各地の市場で強さを磨く秘訣とは。

<span class="fontBold">インドの過酷な環境下で性能を発揮するエアコンを開発し短期間のうちにシェアトップに立った</span>
インドの過酷な環境下で性能を発揮するエアコンを開発し短期間のうちにシェアトップに立った

 2014年にインド市場で現地向けの独自製品を投入したダイキン工業が、同国のエアコン市場でシェアを急伸させている。金額ベースでは15年から首位。ダイキンによると、インドのエアコン市場は現在年2500億円の中国に次ぐアジア2位の規模で、家庭用エアコンの普及率は現在まだ10%に満たない。今後も2桁成長が期待されるなか、ダイキンのインドでの売上高は17年度に300億ルピー(約530億円)と、12年度から約2倍になった。

 ダイキンの快進撃は、インドにとどまらない。12年度に市場シェアが2位だったタイ、同3位のベトナムやインドネシアでは現在首位に立つ。インドを含むアジアの空調事業の19年3月期の売上高は2800億円と、13年3月期から2倍に拡大する見込みだ。

 1924年に大阪金属工業所として産声を上げたダイキン工業。創業当初の飛行機部品に使うラジエーターチューブの生産から現在のエアコンまで、徹底して「冷やす技術」に磨きをかけてきた。34年には冷凍機の開発に成功。潜水艦などの船舶を中心に使われた。36年に導入された日本初の冷房電車に搭載されたのも、ダイキンの冷凍機だ。51年には冷却器と送風機、制御機器を一体化し、誰でもボタン一つで運転できる「パッケージ型エアコン」を日本で初めて開発するなど、日本を代表するエアコンメーカーとして成長してきた。

<span class="fontBold">歴代の「冷やす」機械。冷凍機(左上)、日本初のパッケージ型エアコン(上)、温度と湿度を別々に制御できるエアコン(左)</span>(写真=3点:行友 重治)
歴代の「冷やす」機械。冷凍機(左上)、日本初のパッケージ型エアコン(上)、温度と湿度を別々に制御できるエアコン(左)(写真=3点:行友 重治)
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 そんなダイキンが持ち前の「冷やす技術」でアジア市場での存在感を急速に高めている。パナソニックや韓国LG電子など競合がひしめく成長市場でどうシェアを引き上げてきたのか。その要諦となるのは、「現地のニーズを吸い上げ、『値ごろ価格』を実現した製品を開発してきた」(永守朗ダイキンエアコンディショニングインドR&Dセンター長)ことに尽きる。

 どう、実現したのか。好調なインド市場から見てみよう。

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