(写真=鈴木 愛子)
(写真=鈴木 愛子)

 物流の研究に携わり50年になりますが、深刻なトラックドライバー不足をはじめ、物流危機が叫ばれる中、ようやく日本でも物流に対する意識が変わり始めたと感じます。世界で評価される日本のものづくりは、品質と効率性を追求し、「ジャスト・イン・タイム」という素晴らしい思想を生みましたが、一方、物流にとっては非効率な働き方につながった面もありました。物流業者に遅刻は許されない。最近でこそ効率的な配車システムが普及しましたが、2~3時間前にトラックが荷主の元に着いて待つ光景は、今も“当たり前”です。

 運送会社のトラックドライバーは当然のように、メーカーの依頼に応じて倉庫で荷物の積み下ろしを担ってきました。パレットやフォークリフトなどを使わず、3~4時間かけて手作業で荷物を積み込み、届けた先でも、またトラックドライバーが3~4時間かけて荷物を下ろす習慣がいまだにまかり通っています。

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