
幕末から続く造り酒屋である当社は、売上高の大半をコメと発酵技術によって独自開発した「ライスパワー」エキスが占めています。エキスにはいろいろな種類があり、例えば「ライスパワーNo.11」は、医薬部外品の有効成分として肌が水分を保つ力を改善する効果が認められています。化粧品メーカーに原料としてOEM(相手先ブランドによる生産)しているほか、自社ブランドも立ち上げて販売しています。
開発の契機は日本酒の将来に不安を持ったことでした。当社は香川県にあり、私は1972年に父から経営を引き継ぎました。この頃から日本酒の収益性に陰りが出ており、「酒蔵の技術を生かしてコメの力を引き出せば新しい製品ができるのではないか」と考えました。ただ研究開発はとにかく大変でした。最初は自宅の離れの台所を実験室にして酒屋の仕事が終わってから夜中まで1人で研究しました。菌の組み合わせや発酵時間を変えるなどしながら1000通り以上試しても成果が上がらず、何回もくじけそうになりました。
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