(写真=山下 裕之)
(写真=山下 裕之)

 現在の日本人は昔より若返っています。歩くスピードや握力、知的機能、残存歯数などを調べると、20~30年前よりだいたい10歳ぐらいは若い。ですから私は、「75歳以上を高齢者とすべし」と主張しています。60歳とか65歳で定年を迎えて、そのあとは働くこともなく活動もしないというのは、本当にもったいない。支える側だった人が一夜にして支えられる側に回るのもおかしな話でしょう。

 活動量を減らしてしまうのは、健康にもよくありません。有償労働はもちろん、ボランティア活動もどんどんやるべきです。それが認知症や、虚弱(フレイルティー)という言葉を語源とする「フレイル」の予防になります。働ける人が働いて、同世代の人を助ければ、次世代の負担を減らすことにもつながると思います。

 健康寿命という言葉がありますよね。病気の有無にかかわらず、自立して日常生活を送れる期間のことを指し、我々はこの健康寿命を延ばすことを目指しています。

 健康寿命を障害する原因の1つは脳卒中、骨粗しょう症、認知症に代表される老年疾患です。もう1つは生活機能が低下すること。高齢になると、移動が難しくなる「ロコモ」やフレイルなど、生活機能を損なう兆しが表れてきます。従って、老年疾患の予防に努めることと、ロコモやフレイルにならないように普段から注意すること。これが健康寿命を保つために重要な点です。