日本はルール作りに積極関与を 世論を味方にする戦略カギ

(写真=小林 淳)
(写真=小林 淳)

 世界標準の通信規格をまとめ、技術の世代交代を着実に進める──。移動通信を専門とする技術者として一貫して規格作りに携わってきました。現在は第5世代(5G)の通信サービスが普及期に入っていますが、すでに第6世代(6G)についてどんなコンセプトで規格を作り上げていくか、議論を始めています。

 かつては世界標準の規格が存在しませんでした。1990年代後半、NTTドコモや欧州のノキア、エリクソンなどでつくる「ワイドバンドCDMA(W-CDMA)」陣営と、米クアルコム、米モトローラなどの「CDMA2000」陣営が世界標準の座を巡って激突した第3世代(3G)の規格作りは難航を極め、「技術の標準化なんて未来永劫(えいごう)できないんじゃないか」と悲観的になった時期もありました。

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