武田薬品で取り組んだ イノベーションとグローバル化の表裏一体の改革

 昨年6月末に武田薬品工業のコーポレートオフィサーを退任して、あっという間に1年以上がたちました。武田薬品に入ったのは、2010年に当時の長谷川閑史社長(元会長)から、「この会社を本気でグローバル化するから手伝ってくれ」と誘われたからです。日本を代表する企業が世界に打って出る。これをお断りしたら人生後悔すると考えて受けました。

 それまで14年にわたって多国籍企業のマネジメントを経験してきた私の目には、武田薬品はこてこての日本企業と映りました。会議の進み方や、書類にずらりとサインが並んでいるのを見るとうんざりともしました。長谷川さんの期待値と実態が大きく乖離(かいり)していて、何から手を着けるべきか、長谷川さんと話し合ったものです。

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