末永く続いていくことが会社の使命 分相応の経営になっているか

(写真=小林 淳)
(写真=小林 淳)

 バイオ企業のぺプチドリームを3月に退社しました。2006年の設立時から社長・会長として経営を担い、13年の上場以来、決算期変更の年を除けばずっと黒字でした。営業利益率は5割で、驚かれることが多い。

 東京大学大学院の菅裕明教授が、医薬品の候補になるアミノ酸の集合体「ペプチド」を人工的につくる技術を持っていて、東大発ベンチャーとして設立されました。社長として最初に考えたのはいかに黒字を続け、無借金で経営するかです。

 これには前職での教訓があったんです。遺伝子チップ開発のJGSで社長を務めていたんですが、解散した。ゲノム解析で病気が解明されるというイメージが広がった時期で、検査薬会社など5社から出資を受けるなど、かなりの資金を集めました。しかし、ビジネスになる前に、出資会社の方向性がまとまらなくなり、結局解散した。私は、お金を集めてからビジネスを進める考え方は間違いだ、順番が逆だと心に刻みました。

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