予測はエコノミストの本分、提言は使命 同僚より同業者を友とせよ

1990年前後に日本国内でシンクタンクの設立ブームが起きました。在籍していた住友銀行(現三井住友銀行)から日本総合研究所の立ち上げに合わせ移籍し、エコノミストとしての活動を本格化させました。
当時は経済の現状を分析し、それに基づき将来を予測するのがエコノミストの役割だとの認識が一般的。もちろん正しい予測をするのがエコノミストの仕事の本分なのですが、私は総研設立当初から「シンクタンクを標榜する以上、現状を改善するために必要な施策の提言も行うべきだ」が持論でした。
こうした思いを実践していくのは容易でありませんでした。まずは霞が関との関係です。総研設立時は「霞が関が国内唯一のシンクタンク」として政策に関する情報を独占していた時代。お役所に盾突くなどもってのほかという空気が支配的でした。
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