危機に直面した時は、「イエス」から考えよ 人を動かすのは「論より行動」

日本銀行に1968年に入行して27年目、神戸支店長を務めていた時に、阪神大震災に遭遇しました。金融特別措置や市中金融機関への店舗貸し、手形交換の見切り再開など、3つの異例の措置を発動し、人心の乱れが社会の混乱を引き起こさないよう陣頭指揮を執りました。
私自身も死を意識せざるを得ない状況でこれらの措置を短時間で実行することができたのは、「日銀の役割」を常に意識していたからだと思います。役割とは、水や電気と同じライフラインである「お金」を安定的に流通させることです。
金融特別措置は、通帳や印鑑がなくても本人確認ができれば預金をおろせるようにする措置。お金が普段通り手に入らず必要なものを確保できなければ、略奪が起きかねません。海外ではお金の代わりに力が使われる事態が時折見られます。それは絶対に阻止しなければなりませんでした。
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