歴史は常に転がっている 敏感に察知するには引いた眼でみる姿勢が必要

歴史というのは常に転がっているんだな──。1980年に大学を卒業して、30年間日本銀行、2010年からは民間のシンクタンクで働いてきました。自分の来し方を振り返って、つくづくそう思います。
社会に出た頃、日本は上り調子で成長を続けていました。「集中豪雨」とも称されたくらい輸出を伸ばして一部からは反感を持たれたものの、世界経済での存在感を大いに高めました。1984年から86年まで英オックスフォード大学に留学していた私は、現地で日本の注目度が次第に高まるのを肌で感じたものです。
ところが、90年代に入ると次々に問題に直面するようになります。
まずバブル経済の崩壊です。2つめは、その処理が終わらないうちに訪れた人口動態の転換。90年代には15歳から64歳の労働力人口が減少に転じました。さらに中国が本格的にグローバルマーケットに参戦し、2000年代以降は、第4次産業革命と称されるような、新しいテクノロジーが出てきました。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り870文字 / 全文1322文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「有訓無訓」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?