大先輩の言葉と母の教え 実践して見えたまわりを幸せにする経営

(写真=北山 宏一)
(写真=北山 宏一)

 「経営において一番大事なのは従業員だ。次が取引先。株主は最後の最後だな」。そう話してくれたのは、銀行勤務時代の大先輩であり、尊敬するバンカー宮崎邦次さんです。1997年、宮崎さんは第一勧業銀行(現みずほ銀行)の相談役を退任後、総会屋事件の責任を取る形で自ら命を絶ちました。

 私は入行以来、「湯は外にかけ」という母の教えを大切にしてきました。幼い頃、寒い夜の風呂で、自分のほうに熱い湯をかいて温まろうとする私を見て、母が言ったのです。「自分に湯をかいても脇の下から流れてしまう。外に外に、と湯をかけばまわりの人も自分も温かくなる」。母の教えと宮崎さんの言葉には、通じるものがあると感じました。

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