人も、企業も生き残るためには複数の能力を身に付けて

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)

 いまの若い人は欲がないですよね。でも、それでいいんだと思います。憧れのライフスタイルは今回のコロナ禍で大きく変わるでしょうから。

 満員電車に揺られて朝から頑張る意識の高い人間がかっこいい時代が確かにありました。でも、これはなくなるでしょう。マイペースで自分でできる範囲で仕事をするようになる。会社もそれで成り立つ時代に変わるでしょうし、成り立つように変わらなければならない。

 私はそれなりの学校に通い、それなりの規模の会社に入り、トップまで上り詰めました。でも、そんなに楽しくもなかったし、いいこともなかったです。

 サラリーマン社長はまったくお勧めしません。本当に面白くないですよ。オーナー社長と違って毎日会社に行かなくちゃいけないし、同じ責任を負いながら結局は「時間給のサラリーマン」ですから。同じ苦労をするなら事業を起こしたほうがよかったなとつくづく思います。気がつくのが遅かったです。

 会社を離れてみて最近感じるのは、マルチな才能を持つ人間のほうが生き延びられるのではないかということです。これからAI(人工知能)をはじめとするテクノロジーが広がり、突然仕事がなくなることも出てくるでしょう。普段から備えが必要になります。

 若い世代は肌感覚でそれを知っているのでしょう。大企業の1つの部署で何かの道を究めようという人はどんどん減っています。ベンチャーに飛び出し、荒波にもまれながらも、様々な経験をしている。ベンチャーは何でもやらないと業務が回らないですから。