コロナ禍で問われる企業の継続性 成長よりも成熟を目指す

(写真=船戸 俊一)
(写真=船戸 俊一)

 コロナ禍で企業を継続させることの重要性がこれまで以上に語られるようになっています。私は企業が続いていくためにはフローよりもストックを重視すべきだとずっと考えてきました。

 六花亭は北海道帯広市にある菓子メーカーです。地元の人が日常的に食べてくれるお菓子をつくり、それを観光客にも食べてもらい事業を続けてきました。全国的な菓子メーカーとは在り方が全然違うし、自動車のような国際的な成長産業とは違いますから、右肩上がりの成長を望んだとしてもできるわけはありません。

 では何を経営の目標にすべきかといえば、私は成長よりもむしろ成熟ではないか、と思っています。売り上げを追うのではなく、間口を広げすぎることもなく、地域のため、従業員のために永続を追求していく。国内市場がこれからさらに縮小していくことを考えれば、これこそが企業が大事にすべき価値観ではないでしょうか。

 そのために大切なのは、時間が経過しても古くならず、むしろ価値が増す資産を企業としてどれだけ蓄えられるかだと思います。

 もちろん、こう思いついたからといってすぐに実現できるわけではありません。私は早くから会社を永続させるためのさまざまな取り組みを進めてきました。例えば、工場の1つが帯広の隣の中札内村にあるのですが、同じ敷地に20年ほど前から「六花の森」を整備しています。六花亭はCI(コーポレートアイデンティティー)を坂本直行さんによって描かれた花柄包装紙に置いており、この森では包装紙に描かれた草花を育てています。