考えることの大切さ、分かりやすく伝えたい 他人のまねでは損をする

(写真=菊池 一郎)
(写真=菊池 一郎)

 人類共通の敵である認知症、特にアルツハイマー型の研究に1992年から取り組んできました。原因物質であるアミロイドβをつくるのはタンパク質を切る酵素。酵素の研究を始めた大学院のころから数えると40年以上、手掛けています。

 この間、アルツハイマー型の治療薬の開発に近づいたこともありました。合成化学の研究者と協力して生み出した治療薬は、悪い酵素の働きを阻害することが動物実験で確かめられました。ですが、通常の投与法だとなかなか脳に届かない。やはりこの病を克服するのは難しいのだと実感しました。今も抜本的な治療薬は存在しません。

 認知症はいったん罹患すると脳の神経が失われるので治りません。だから今は、予防しないといけないと盛んに言っています。特に大事なのはアルツハイマー型になりやすい人を見つけることです。

 すべての人に生活習慣を改め、運動をするよう推奨しても長続きしません。でも自分が将来、かかりやすいのだと分かれば、飲酒やたばこ、中年での肥満といった認知症になる原因を意識的に避けるようになるでしょう。

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