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ビジョンを示せぬならリーダーではない。明確な目標こそ勝つ力

(写真=木村 利美)

 外資系のアクセンチュアで18年にわたって社長、会長を務め、キリンホールディングスはじめ様々な日本企業の社外取締役も務めてきましたが、そろそろ店じまいを考えています。けれど今、残念な思いに駆られることがあります。この30年、日本はいったい何をやってきたのかと。

 国の運営にも企業経営にもビジョンが必要です。経営を例に取ると、目標を設定し戦略を立てて挑む外資に比べ、日本企業はお客さんとともに自然な成長を目指す傾向があります。市場が成長する時代ならばまだしも、競争の時代にはビジョンが欠かせません。

 1969年、私がアクセンチュアの前身、アーサーアンダーセンの日本事務所に入社したとき、コンサルティング系の社員はわずか8人でした。入社を決めたのは、英語が学べると思ったからです。新潟大学に学んだ私は、本当は大学院進学を望んでいましたが、学生運動で入試が中止に。私は山形の限界集落に農家の7人兄弟の末っ子として生まれ、大学も奨学金とアルバイト代で賄っており、浪人の余裕はありませんでした。