一つの考えにのめり込まず 二兎を追い、二兎を得よ 広い視野が課題を解決する

(写真=都築 雅人)
(写真=都築 雅人)

 今年4月、福島大学に農業や食品を学ぶ食農学類が新設され、初代の学類長に就任しました。東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故の後、農業や放射能の専門家が各地から集まりましたが、福島県には農学系の学部がなく、復興と地域農業の再生のため農学系の教育研究組織の設置を求める地元の声が高まりました。

 「まとめ役をやってほしい」という話があったのは名古屋大学教授だった今から3年半ほど前のことです。それ以前に東京大学で農学部長を務め、食料・農業・農村政策審議会(農相の諮問機関)の会長を引き受けたことなどで白羽の矢が立ったようです。

 震災後の復興支援の過程で福島との接点は特にありませんでした。それでも「お役に立てるなら」と迷うことなく引き受けました。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り934文字 / 全文1303文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「有訓無訓」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。