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どんな困難にも逃げることなく真正面から取り組む

(写真=北山 宏一)

 燃やしても温暖化ガスの発生量が少ないクリーンエネルギーとして知られるLNG(液化天然ガス)。セ氏マイナス162度という超低温で運ぶ必要があるLNG船は、高度な技術が求められることで知られています。日本では1970年代のオイルショックを機にLNGの導入機運が高まり、産地から安全に運ぶためのLNG船の開発、建造も盛んになりました。私は46歳の時、初めてプロジェクトマネジャーを任されたのですが、その時、担当したのがLNG船でした。

 任命されたときは身震いしました。なにせ、中部電力を中心とする国内の電力・ガス8社がカタールから年600万トンのLNGを25年間輸入する際に使う船を10隻建造するという大型プロジェクト。受注金額は3000億円規模に達します。「今世紀最大のLNG輸送プロジェクト」といわれたものでした。

 LNG船の設計から建造までの工程を取りまとめるのが私の役割でした。船主の海運会社と交渉しながら、船の仕様を固め、設計していく。建造時点でも、船主と協議をし、造船所の現場の声も聞きながら、少しでも良い船に仕上げていく。