メーカーに寄り添って開発 日立からの独立を決断 自分たちの手で事業を守る

(写真=菊池 一郎)
(写真=菊池 一郎)

 マクセルというと、乾電池やカセットテープを思い起こしてもらえますね。40、50代より上の世代の方は特に思い入れが深いようで、必ずといっていいほど「マクセルのテープを使っていたよ」と話題にしてくださいます。とてもうれしく思っていますが、かつてBtoCが中心だった当社の事業構造はBtoBへと大きくシフトしています。

 私は技術者として今の主力になっている事業を含め、多くの新規事業の立ち上げに携わってきました。最初は家庭用ビデオテープの開発。次に放送局用テープ。リチウムイオン電池、車載用のマイクロ電池やカメラレンズユニットも担当しました。ありがたいことに、取り組んできた製品はどれも事業の柱として大きく成長しました。

 事業の立ち上げにこぎつけられた理由を考えてみました。技術面で良かったこととして、材料を自分たちで加工して機能を高める「改質」にこだわってきたことを挙げたいと思います。他社にないユニークな材料に仕上げてから、独自のモノづくりで製品化に取り掛かることで、付加価値の高いモノを創り出すことができたと思います。

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