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積小為大、小さくとも可能性信じて進むことが 強い会社をつくる

(写真=大亀 京助)

「積小為大(せきしょういだい)」という言葉があります。江戸時代の農政家、二宮尊徳の言葉であり、小さいものを小さいからといって軽視するのでなく、その中に将来性があれば根気よく取り組む。するとやがて大きな成果につながる、といった意味だととらえています。

 半世紀ほど前、当社はビール事業を手掛けていたことがあります。いろいろやってみたのですが、結果的に「タカラビール」は10年ほどで撤退。私が入社したのはその頃です。

 焼酎、みりん、清酒という既存事業に改めて力を注ぐと同時に、発酵技術を生かした新事業に着手。私は新事業に配属となったのですが、苦労の連続でした。当初は抗生物質の探索を進めましたが、成果が出ませんでした。そこで他社と組んで受託生産に乗り出したものの、提携先に主導権を握られ思うような展開ができません。何かよい方法はないかと世界中の製薬会社や研究機関を訪問しました。いろいろ話を聞くうちに後発の当社が発酵による抗生物質の探索に乗り出すのはもう遅いと悟りました。ではどうするか。そのとき見えてきたのがバイオテクノロジーです。世間的には知られていませんでしたが、関係者の話から可能性があると確信しました。