難工事にも果敢に挑戦し、割安で高品質な橋を、アジアを中心とする途上国や新興国で建設する。断崖絶壁でも安全に橋を架けられる独自工法には、大手ゼネコンも一目を置く。

建設機械も独自開発
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災害に備え、水陸両用の油圧ショベルなど建設機械も独自に開発した高野広茂会長。緊急需要を想定し、資材1万トンも備蓄する(写真=菅野 勝男)
(写真=菅野 勝男)
(写真=菅野 勝男)

 漁の最中に遭難し、たどり着いた米国で身に付けた知見を生かして、日米の懸け橋となったジョン万次郎。「亀山社中」を立ち上げて、貿易に乗り出した坂本龍馬。高知県は関東や近畿からは離れた土地だが、大洋の向こうに目を向けるフロンティアスピリットにあふれる人材を育んできた。

 高野広茂会長が率いる高知丸高の活躍は、そんな土佐の先人の姿をほうふつさせる。パキスタンの山岳地帯における道路橋の架設、ミャンマーはマンダレー港での桟橋の基礎工事、ベトナムの農業用水路での架橋──。従業員数100人余りの土木会社ながら、アジアを中心に途上国や新興国に進出。とりわけ得意とするのは橋梁で、難工事にも果敢に挑戦して中国勢らと互角以上に渡り合う。

ベトナムで、はりまや橋を架ける

 内需型産業の典型とされる建設・土木業が、人口減少社会にあって成長を続けるには、常識を超えた挑戦が求められる。海外進出は成長に向けた一手となるが、成功例はまだまだ少ない。

 品質にこだわり過ぎて、現地の職人を活用できなかったり、発注者に必要以上の提案をしたりして、価格競争に負けるケースが多いのだ。高野会長は「受注のライバルは中国勢で、発注元の現地政府には十分な資金がない。となれば、価格競争に勝たないことにはどうしようもない」と強調する。

 高知丸高の躍進の理由を読み解くカギが、昨年12月にベトナム北中部のゲアン省で架けた「はりまや橋」だ。

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