現役の眼科医3人が立ち上げたスタートアップが、世界の失明をなくすという大きな課題に挑んでいる。スマートフォンに装着して持ち運べる診断用カメラは、医療過疎地での眼科診断を大きく変える。

スマートフォンが、医療機器に早変わり──。「iPhone」のカメラに装着するだけで、目の診断ができる「スマートアイカメラ」が、日本を含む世界15カ国の医療機関などに広がっている。
開発したのは、慶応義塾大学医学部発スタートアップのOUI Inc.(ウイインク、東京・新宿)。スマホの光源を、眼科診断に適したスリット状の光に変換し、目を拡大して撮影できる。
白衣のポケットに収まり、簡単に持ち運べるこの小型デバイスは、世界の医療を変えるかもしれない。
ベトナムの現場で着想

世界最貧国の一つとして知られる、アフリカ南東部のマラウイ。人口約1800万人に対し、眼科医はわずか14人というこの国でも、スマートアイカメラが重宝されている。
現地に赴いたウイインク海外戦略部の中山慎太郎部長は、こう証言する。
「マラウイは、電力需給が逼迫していて、僕が行った診療所は1日中停電していた。そんな非常時でも、スマホの電池で動くスマートアイカメラを使えば、問題なく診断できた」
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