約300軒の農家とタッグを組み、有機野菜を定期販売の形で食卓に届ける。既存の流通規格にとらわれず、種類豊富な品をそろえるサービスは全国にファンを増やしている。

持続可能な農業を
<span class="fontSizeL">持続可能な農業を</span>
坂ノ途中の小野邦彦社長は大学時代から、持続可能な農業に関心を持っていた(同社が書店と共同運営する「本と野菜 OyOy」で)

 「収穫が不安定な有機野菜を広めるには、僕らのタフさが必要なんです」。そう語るのは坂ノ途中の小野邦彦社長だ。同社は個人向けの定期宅配と、飲食店やスーパー向けの卸として有機野菜の販売を手掛ける。特に個人向けの「旬のお野菜セット」は急成長。2021年6月時点の会員数は1年前から44%増の約7200人となった。

 政府の緊急事態宣言による「巣ごもり需要」が追い風になっただけではない。新型コロナウイルスの影響がなかった19年6月期までの5年間でも、会員数は4.8倍と、着実に伸びてきた。

 日本は多湿な気候なので、害虫や雑草を抑えるには農薬が必須とされてきた。だが、若い世代を中心に、自然との共存や脱炭素など環境保護の意識も高まり、化学肥料や農薬を使わない農法に注目が集まっている。09年に京都で誕生した同社は、有機野菜のみを販売し、関東などに販売先を拡大。じわじわと口コミやSNS(交流サイト)でも認知され、会員が広がっている。

収穫のブレを「面白さ」に

 「何この野菜、初めて!」。同社には顧客が喜々として驚く声が、よく寄せられる。まるで花束のような形をしたキノコの「ハナビラタケ」や、緑色の濃さがグラデーションになっている「半白きゅうり」。毎週または隔週で届くセットの箱には、トマトやジャガイモのような定番だけでなく新顔がいる。3~5人向けのMサイズで11~14種類ほど。価格は税込みで3672円だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1616文字 / 全文2304文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「ゲームチェンジャー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。