報告書やお知らせづくりなど、塾や予備校の講師の負担になっている事務作業を効率化。自身の講師体験を基に開発した、専用の業務管理システムで全国シェア20%の獲得を目指す。

経営者の祖父や父に憧れて起業を目指した
「祖父も父も会社を経営しており、いつか自分もと考えていた」と話す栗原氏。自身の塾講師の経験からコミルを生み出した(写真=吉成 大輔)

 学習塾や予備校の講師の仕事は「生徒に勉強を教える」ことにとどまらない。授業の内容や生徒の習熟度を保護者に伝える指導報告書や塾からのお知らせの作成、成績の管理、授業料の請求書づくりまで講師が担うケースもある。講師が報告書を1枚1枚封筒に入れ、郵送する手続きを行っているところも少なくない。専門の事務スタッフが雇えない小規模の塾では、講師が事務作業に追われて生徒への指導に影響が出ることもあるという。

 事務の負担が軽減すれば、もっと指導に力を注げるのに──。学習塾が抱えるこの課題を、事務作業のデジタル化で解決しているのがPOPER(ポパー、東京・中央)だ。

(写真=吉成 大輔)

 学習塾向けの業務効率化システム「Comiru(コミル)」は、フォーマットに必要事項を打ち込むだけで指導報告書の作成や成績の管理ができ、専用アプリや対話アプリで保護者に報告書やお知らせを送付することができる。郵送では保護者の反応が見られない一方通行になるが、コミルならお知らせを読んだかどうかを確認できるほか、保護者が意見を寄せる機能もあり、双方向のやり取りが可能になった。

 2015年にサービスを開始し、現在は全国に約5万教室あるとされる学習塾の5%ほどに当たる2600教室以上で導入された。デロイトトーマツミック経済研究所の調べでは、クラウド型の学習塾向け業務管理システムのシェアで業界トップ。導入先からは「講師が一つひとつしていた事務作業が、簡単にできる。人件費が従来の3分の2ほどに減るとともに、講師が教えることに集中できるようになった」(千葉県市川市の塾アルゴの杉浦一行取締役)との評価も聞かれる。

起業から1年で資金難に

 学習塾に的を絞って着実に導入実績を積み重ね、ポパーの売上高は20年10月期に2億6000万円を超えた。このサービスが生まれた背景には、栗原慎吾代表取締役CEOの実体験があった。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1394文字 / 全文2269文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「ゲームチェンジャー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。