幼いころに父が経営する町工場で見た、無言のまま働く職人たちの様子が忘れられない。「笑って生きる」を人生訓に、町工場のイメージを変えると意気込む。

笑顔絶えない社風
角野嘉一社長(右)が着ているのは、「ファイブスターファクトリー」のロゴを背中にあしらった会社の制服だ

 角野嘉一氏は子どものころ、父が経営する町工場をたまに訪ねる機会があった。父の寡黙な性格が周りに影響を与えているのか、工員たちは無表情のまま黙々と作業していた。その様子を見て角野氏は、「これは自分が将来就く仕事ではないな」と思ったという。角野氏は父に似ずおしゃべりで、1日中黙って作業する仕事は耐えられそうになかった。

 43歳となった角野氏は現在、父の工場から5km余り離れた大阪府堺市に自分の町工場を構えている。業務内容は父と同じ金属加工で、主に産業機械に取り付ける部品や、金型を作っている。ただ仕事に向き合う気持ちは父とは異なる。モットーは「町工場を、人生を楽しむための場所にする」こと。そこで自社開発した町工場向けの生産管理システムを販売して効率化を後押しするほか、職場の雰囲気を明るくするために、おしゃれにこだわった会社の制服のデザインを手掛け、ほかの町工場向けに提供している。町工場の全国的なネットワーク作りにも取り組み、地味になりがちな中小企業の製造現場を元気にしようと活動している。

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